同じ会社に一生勤め続ける「就社」に対する価値観が薄れる中、30代での転職に不安を抱えてはいないでしょうか。採用する企業側は、変化が激しい中で中途社員のノウハウや経験を必要としており、30代の転職市場は活況となっています。
本記事では、30代の転職に際しての注意点やメリット・デメリット、転職活動の進め方を解説します。また後半では、30代で効率的に転職活動を進めるために役立つ「転職支援サービス」を4つ紹介します。
30代で転職する際の注意点
30代は、中堅層として幅広い活躍を期待されます。ここでは、30代の転職で注意すべきポイントについて解説します。
20代の転職よりも即戦力を求められやすい
10代や20代の転職では、入社後の伸びシロを期待した「ポテンシャル採用」が一般的です。それに対して、30代は前職の経験を活かして即戦力で活躍できることを期待されます。
転職が一般的になる中で「35歳の壁」は以前ほど高くはありませんが、それでも培った経験やスキル、転職志望先との関連性をアピールできなければ、転職に苦戦します。
30代前半で転職する際の注意点
30代前半は、ある程度の経験を積んで企業で主戦力として活躍している人材が多めです。雇用動向調査によると、2020年の転職者の割合は「男性:11.1%、女性:10.0%」と、20代後半の「男性:12.4%、女性:13.8%」とほぼ変わらず、年齢によるビハインドは思ったほどありません。
30代前半であれば、まだ新しい環境に順応するポテンシャルもあると判断されやすく、未経験職への転職も比較的進めやすいでしょう。
30代後半で転職する際の注意点
30代後半になると、プレイングマネージャーや管理職として働いている人も少なくありません。業界についての知識やスキルも豊富であり、中途採用の募集企業は経験をすぐに自社で発揮して欲しいと考えます。そのため、未経験業界への転職はハードルが上がります。
2020年の転職者の割合は「男性:7.6%、女性:10.8%」で、男性は30代前半よりも転職者数が減っています。転職希望者が減っているのはもちろん、求人数自体が少ない可能性もあります。
30代の転職のメリットとデメリット
30代での転職には、メリットはもちろんデメリットがあります。ここでは、それぞれについて解説します。
30代での転職のメリット
30代での転職は、即戦力であることを重視されやすい傾向にありますが、経験が合致すれば東証一部上場などの大手企業や成長中の人気企業などへの転職も可能です。転職による給与待遇などの改善もしやすく、新卒採用では入社できなかった憧れの企業に再挑戦できます。
また、自らのキャリアアップを意識してスキルや経験をさらに蓄積できる転職活動ができれば、次の転職に取り組む時間的な余裕もあります。
30代での転職のデメリット
30代での転職は、10代や20代に比べて未経験職への転職ハードルが上がります。特に完全未経験の業界・職種では、企業側が20代などの若手育成に力を注ぎたいため、30代の採用に対する優先順位が下がります。
また、未経験職への転職は、経験のリセットとみなして採用される場合が多く、賃金が新卒採用レベルまで下がることも少なくありません。30代後半ともなれば、転職に失敗した際に次の転職が難しくなり、今後のキャリアパスにも影響します。
30代の転職には転職エージェントサービスを活用しよう
30代は、業務負荷が大きい人が多く転職活動に割ける時間も限られるため、効率的かつ悔いなく活動するには、転職支援サービスの活用は欠かせません。
ここでは、転職エージェントサービスを活用した転職のポイントについて解説します。
非公開求人により転職先の可能性を広げられる
30代の転職で最も重要なのは「求人情報」ですが、実は自分で探せる求人には限りがあります。なぜなら、秘匿性が高く好条件の求人を持つ企業は、転職エージェントサービスに人材紹介を依頼しているからです。
その理由は、自社にマッチ度の高い人材を採用したいからであり、転職希望者はサービスに登録して経歴を記載することで、これら非公開求人を紹介してもらえます。
なお、転職支援サービスによって取り扱う求人の数や業界・業種が異なるので、3つほどのサービスを利用することでマッチ度の高い求人を見つけやすくなります。
書類選考や採用面接のアドバイスを受けられる
転職エージェントサービスに登録すると、担当のコンサルタントが転職活動をサポートしてくれます。
非公開を含めた求人を紹介してくれ、興味がある求人に応募する際には、職務経歴書や履歴書などの応募書類の添削をしてくれます。また、応募代行を行ってくれると同時に、採用担当者に応募者のマッチ度の高さを裏付けるプラスアルファの情報を伝えてくれます。
他にも、採用試験で最も重要な面接試験のアドバイスをくれるだけでなく、場合によっては面接に同行してくれます。
転職活動自体のサポートや内定後のフォローも受けられる
担当のコンサルタントは、アドバイスや応募代行だけでなく、採用面接の日程調整なども代行してくれます。30代ともなると業務が忙しく連絡を取るのも大変ですが、たとえ複数企業に応募している場合でも全て代行してくれます。
また、内定後に内定辞退したいならばその連絡を相手人事にしてくれ、入社を決めたならば入社までのフォローもしてくれます。
転職先に出社後、就労条件や配属先などが面接と異なるなどの問題が発生した際には、サポート元の転職エージェントサービスへの相談も可能です。
30代におすすめの転職エージェントサービス4選
30代で転職支援サービスを利用する際には、10代20代向けではなく、30代の転職に親身に関わってくれるサービスを選ぶ必要があります。ここでは、30代向けの転職支援サービスを4つ紹介します。
リクルートエージェント
転職サイトのリクナビNEXTでも有名な、リクルートの転職エージェントサービス。求人数は非公開求人も含めて20万件ほどあり、転職者の支援実績も含めて業界1位です。過去の転職者の活動情報も豊富で、面接対策などにもその強みを発揮しています。
求人の数はもちろん対応可能な業界も幅広いため、少なくともリクルートエージェントは登録しておき、非公開求人の情報を集めましょう。
ビズリーチ
30代以上向けの高待遇・好条件のハイクラス求人を持つことで有名なビズリーチ。ビズリーチは、自分で求人検索や応募もできる転職サイトですが、エージェントサービスも受けられます。
「プラチナ求人」には大手企業や年収1,000万円を超えるものもあり、前職よりもステップアップしたい人やマネージャー層への転職希望者におすすめのサービスです。
doda
dodaは、求人数が10万件以上と人材紹介業界2位の多さです。dodaは転職サイトなので自分で求人検索できますが、エージェントサービスの利用も可能です。
IT・モノづくりエンジニアの転職サポート実績が豊富で、登録者のほとんどが20代と30代です。該当業界への転職希望者は、リクルートエージェントとの併用がおすすめです。
マイナビエージェント
新卒採用の情報が豊富で有名なマイナビの転職エージェントサービス。中途採用に関する求人数ではリクルートエージェントやdodaに劣るものの、中堅層の中でも若手の30代前半の転職支援実績は豊富です。
まとめ
30代の転職は、20代に比べて即戦力であることを求められますが、以下のような特徴があります。
- 「35歳の壁」は低くなっており転職しやすくなっている
- これまでの経験やスキルとマッチすれば待遇アップしやすい
- 30代の未経験職への転職はデメリットもあるが可能
- 大手企業や以前は不採用だった企業にもトライしやすい
- 多忙な中で悔いなく活動するなら転職支援サービスを活用する
30代の転職活動では、複数の転職エージェントサービスに登録して求人の選択肢を増やし、サポートを徹底的に活用して成功率を高めましょう。