元プロ漫画家に聞く!副業でイラストを売る方法と副業イラストレーターのなり方

元プロ漫画家に聞く!副業でイラストを売る方法と副業イラストレーターのなり方
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はる@転職と副業の達人

シングルのワンオペ育児ワーカー|シンママ・シンパパが子育てしながら稼ぐために転職と副業について情報発信中|転職回数10回・副業歴10年|高卒→フリーター→初就職は2ヶ月で失敗→派遣や契約、非正規や正規を転々としつつ副業でスキルUP→転職でレベルUP→大手外資メディア企業の管理職月収65万円→独立・月収400万円達成

「コロナ禍で本業が不安定……。このままだと生活が厳しい!」
「ゆくゆくはイラストや漫画を描くことで食べていきたい。その足掛かりにするために、まずは副業でチャレンジしたい!」

この記事にたどり着いた人は、きっとこんな悩みや願いを持っているはずです。

しかし実際に副業でこれらを始めようとすると、「どれくらい稼げるの?」「売るときのコツは?」「スクールに行った方がいいのかな」という疑問が出てくるはずです。

そんな疑問を解決するために、元プロ漫画家に取材を行いました。

自分のイラストは本当に売れる?売るときのコツとは

自分のイラストは本当に売れる?売るときのコツとは
自分のイラストは本当に売れる?売るときのコツとは

「イラストを描くのは好きだけれど、お金にしたことがない人」がまず真っ先に抱く不安は、やはり「自分のイラストは本当に売れるのか?」というものでしょう。これは小説でもイラストでも漫画でもアクセサリーでも同じで、実際に筆者(ライター)も同じ悩みを抱いていました。

それを解決するための方法は、主に以下の5点です。

  1. 自分の得意とするジャンルと、売り込む相手を考える
  2. SNSを最大限に利用する
  3. コストを掛けないで売り出す方法を模索する
  4. まめに更新する
  5. イラストACなどに登録する

それぞれ解説します。

1.自分の得意とするジャンルと、売り込む相手を考える

「イラストが得意」と言っても、その方向性はさまざまです。

ピクトグラムを専門とする人もいれば、小説などの挿絵を得意とする人もいるでしょう。このような「自分の得意とする絵」の特性を把握して、それを必要とするユーザーに売り込んでいくことが大切です。

たとえば、「銃などの絵を得意としているのに、子どもが見る塾のプリントに入れるためのイラストを描ける人を探している人に連絡した」などの場合は、採用確率は低くなるでしょう。

また、相手側が「サンプルを見せてほしい」と言ってきた場合、相手の求めるイラストに近しいジャンルのサンプルを送ることが重要です。

イラストを仕事とする場合、「自分の好きなものだけを上手く描けるスキル」よりも「相手の求めるイラストを提供できるスキル」が重要です。そのため、自分の描けるものと相手のニーズをよく把握し、売り込んでいかなければなりません。

2.SNSを最大限に利用する

現在はSNSを利用しての営業活動がごく当たり前のものとなりました。

流行っている企画には必ず乗るようにして、宣伝をどんどん行っていきましょう。「目立つこと」は非常に重要です。あなたがどれだけすばらしい絵を描いていたとしても、だれの目にも触れなければ、当然あなたのイラストを買おうという人は現れません。

「でも宣伝をしなくても売れる人はいるのでは?」と考える人もいるかもしれません。たしかになかには、宣伝なしでも多くの人に知られるようになったイラストレーター・漫画家はいます。

しかし日本という国は、多くの人がイラストや漫画に親しみ、それを描いてみようとする人にあふれている国です。そのため、「クラスで一番漫画が上手かった」「学年で一番イラストが上手かった」という程度では、宣伝なしに取り上げられるのは難しいでしょう。

3.コストを掛けないで売り出す方法を模索する

「学ぶために掛けるお金は、後々生きてくるお金だ」とも言われていますから、お金を掛けて学ぶことは決して否定されるべきものではありません。

ただいざ売り出す段になったときには、「コストを掛けないで宣伝する方法」「コストを最小限に抑えて利益を出す方法」も考えておく必要があります。特に副業で行う場合は、この観点が非常に重要です。

たとえば、イラストや漫画を副業とする人がよく手掛けているものとして、「同人誌」があります。これはかつては、「印刷所に入稿して、紙に印刷をして、頒布会で売る」という方法が一般的でした。

しかし印刷所での印刷には、お金が掛かります。装丁やページ数や印刷部数、また納期や仕上がりサイズなどによっても異なりますが、36ページで100冊で15,000円~30,000円程度が相場でしょう。イラストの場合はフルカラーで!と考える人も多いかと思われますが、その場合は50,000円以上掛かることもあります。これは非常に大きな金銭的負担です。

しかし現在は、ダウンロード販売なども一般化しました。特にコロナ禍でオンラインイベントが広まったこともあり、認知度も高くなっています。ダウンロード販売ならば印刷費を掛けずに自分のイラストを頒布できるため、非常に有用です。

4.まめに更新する

「まめな更新」はとても大切です。
どれだけうまい人であっても、更新が遅すぎる人にはファンはつきにくいといえます。
特に駆け出しのころならばなおさらです。

SNSなどをやっている場合は、「最低でも3日に1枚はアップする」などと決めて取り組みましょう。またこのように、「まめに描くこと」は技術の向上にもつながります。

5.イラストACなどに登録する

イラストの登録サイトに自分のイラストを登録し、ダウンロードによってポイントを貯めていく……という方法もおすすめです。

このようなイラストサイトは1枚当たりのダウンロード単価は安く、5円程度というところもよくみられます。
しかし初心者であっても気軽に登録ができますし、場合によってはイラスト作成の仕事を直接受けるきっかけにもなります。知名度を上げる意味でも、一度チャレンジしてみるとよいでしょう。

イラストの相場は1枚5,000円~10,000円程度

イラストの相場は1枚5,000円~10,000円程度
イラストの相場は1枚5,000円~10,000円程度

イラストや漫画の相場は、「あってないようなもの」とよく言われています。イラストレーター・漫画家の知名度、依頼内容の複雑さ、修正回数、納期などで、代金が大きく変わってくるからです。

ただそれでも、一応の相場としては「10センチ×10センチ程度のイラストで、5,000円~10,000円程度」だとされています。

これはクラウドソーシングサービスである株式会社ランサーズの出した目安ですが、取材対象者も同じような数字を出していました。

金額を決める際は、

  1. 自分はどれくらいのお金を稼ぎたいのか
  2. 納品物作成に掛かる時間はどれくらいか
  3. 時給をいくらくらいにしたいのか

を考えて設定していくようにしましょう。

たとえば、「1枚で10万円」としているイラストであってもそれを描くのに100時間も掛かるのであれば、時給計算にすると1,000円です。対して、「1枚3,000円」としているイラストであっても、掛かる時間が30分程度なら時給は6,000円となります。

「そのイラストの作成に掛かる時間はどれくらいか」「自分はどれくらいのお金を稼ぎたいか」を考えて答えを出していくスキルもまた、イラストを描く人間には求められます。

出典:外注BOOK(ランサーズ)「イラスト制作の費用相場と依頼先を徹底比較!押さえておくべき制作依頼時の注意点も!」https://www.lancers.jp/sharebiz/9414

イラストの売り出し方の注意点

イラストの売り出し方の注意点
イラストの売り出し方の注意点

イラストの売り出し方や相場を把握した後に知っておきたいのが、「売り出し方の注意点」です。
これは非常に重要なところであり、副業イラストレーターを続けられるかどうかの大切なキーとなります。

1.パクリ厳禁!

「パクリ」「トレース」という言葉は、イラストを描いている人ならば一度は聞いたことのあるものでしょう。

これについては、非常に厳しい目線が向けられます。特に、「少し名前が知られるようになってきた」「業界内でそれなりに名前が知られるようになってきた」という時期には警戒すべきものです。

怖いのは、「昔はやっていたけれど今はやっていない」という状況でも追及されることがある、という点です。

自分自身でも描いたことすら忘れたようなものであっても、掘り起こされて炎上することもありえます。
実際にすでにプロとして活躍している人であっても、これが問題となり、休載に至った事例もあります。

2.SNSでの発言には気を付けて

上では「SNSによる宣伝は非常に重要」としましたが、それ以上に重要なのはその発言内容です。

ちょっと売れてくると、大物になったような気持ちになってしまい、思いあがった発言や「先生」然とした発言をしてしまいがちです。また、政治的な発言などをしたくなる人もいることでしょう。

しかしこのような発言は反感を買うことが多いといえます。多くの人は、作家に対してはこ「指導」「政治的発言」などは求めていません。SNSで日常のことを書くのはNGとはいえませんが、「模範的な一般人」の立場で話をしていった方が良いでしょう。

3.継続してやり続けることが重要

現在の日本では、「上手いイラストを描ける人」がたくさんいます。そのため、売り込みをしたりSNSを運用したりしていても、なかなかお金につながらないこともあるでしょう。

そのようなときに投げ出したくなる気持ちは痛いほどによく分かりますが、性急に結果を求めない方が賢明です。

すぐに諦めたり投げやりになったりすることは慎み、継続してやり続けることが重要です。

スクールに通うべき? それとも独力でがんばるべき? プロの見解

スクールに通うべき? それとも独力でがんばるべき? プロの見解
スクールに通うべき? それとも独力でがんばるべき? プロの見解

イラストを仕事にしたい考える人にとって、選択肢の一つとなりうるのが「イラストスクールに通うこと」です。

これに正解はありません。

元プロに取材したところ、「『通わなければプロになれない』というものではない。現在は動画サイトなどで。一流のプロが描き方を講義している。どれだけ教えてもらっても、自分の手を動かさなければ意味がない。しかしスクールに通うことにはたくさんの利点もある」という見解でした。

最後にその利点について解説していきます。

1.自分だけでは思いつかないような発想に接することができる

イラストに使われる画材や方法論は、一つではありません。学校では、自分が普段使っていない画材や方法論で作品を仕上げていく人がたくさんいます。

彼らの画材や方法論、そしてそれを使う技術に接することができるのは、学校に通う大きなメリットです。
ただし、それを精査し使いこなしていけるかどうかは自分次第です。

2.モチベーションを保ちやすく、仲間を作れる

人間は「対価を払ったものに価値を見出しやすい」という特性があります。あえてお金を払って学ぶことで、「プロにならねば!」「元手を回収しなくては!」という意欲がわいてきます。

また、周りには同じ夢を持つ仲間がたくさんいます。彼らとの語り合いはモチベーションを保つための力になりますし、人間関係を広げることにもつながります。イラストを仕事にしていくうえではコミュニケーション能力も必要になってきますが、仲間とのやりとりはそのようなコミュニケーション能力の向上にもつながります。

3.質問や作品に対してのフィードバックがもらえる

動画サイトなどで見られるプロの指導動画は、非常に有意義なものです。しかし彼らは一人ひとりの質問に、1つずつ丁寧に答えることはできません。

しかし学校ならば、作品の制作過程でわいてきた疑問を聞くことができますし、それに対しての回答ももらえます。

学校に通うメリットのなかでも非常に大きいものとして、「作品に対する『評価』をもらえること」も挙げられます。

自分の作り上げた作品を客観的に評価し、点数をつけ、弱点を指摘し、それを解消するための方法を教えてもらえるのです。仕事としてのイラストは常に人から「評価」されるものですから、それを事前に学べて弱点を克服していく機会が与えられる学校という場は、とても大きな意味を持ちます。

またこれは、視野を広く持つためにも役立ちます。

まとめ

元プロ漫画家に聞く!副業でイラストを売る方法と副業イラストレーターのなり方
元プロ漫画家に聞く!副業でイラストを売る方法と副業イラストレーターのなり方

イラストは、趣味で描く場合と仕事で描く場合では大きな違いがあります。

仕事で描くイラストは常に「お客様が何を求めているか」を意識しなければなりませんし、時給のことも考えなければなりません。そして常に「評価」されるものであるということも、覚悟しておかなければならないでしょう。

ただそれでも、「自分のイラストにお金が支払われること」には、大きな喜びがあります。金銭を得られることはもちろん、「自分の絵の価値が認められた」という事実はあなたの心の支えとなるでしょう。

自分に合った売り出し方を身に着けて、ぜひ副業として取り組んでみてください。

参考:
http://jpn-illust.com/illust.html
https://www.ac-illust.com/creator/resist.html